弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

鈴木バイオリンキット塗装最終回

こんばんは、弦楽器工房こばやしです。

ついに、バイオリンキット完成しました🎉

まずは、前回の続きから。(今回、写真多目です💦。ご了承ください。)

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色を塗り終え、その上にトップコートとして透明なニスを4回塗りました。

上の写真はトップコート後、1週間乾燥させ全体に1500番という細かな番手のサンドペーパーをかけた状態です。

表面の凸部にヤスリがかかっているので曇ったように見えますね。曇っているというのは、目に見えない細かな傷がたくさんあるということです。

これをコンパウンドで磨いていきます。車の汚れやキズを取るのにも使いますね。黄色っぽいクリーム状の磨き材です。

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前回の塗りあがりよりも表面のツヤが統一され、濡れたように輝いています。

これだけでも美しいのですが、全体を見たときのまとまりに欠けます。

縁の部分の色ニスを剥がして、メリハリをつけます。

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こんな感じ。楽器全体をキャンバスのように捉えたときに額縁をつけるイメージです。

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指板に貼ってあったマスキングテープを剥がした、全体の写真。これで塗装作業は完了です。

続いてセットアップをしていきます。

まずは魂柱。

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ご購入された状態で立ってはいたのですが、長すぎて表板を突き上げた状態になっていました。

取り出してみると面が…丸い…。これでは音が表板から裏板にしっかり伝わりません。

予定にはありませんでしたが、看過できないので直すことにしました。

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上下の面を削って内側の隆起に合わせます。

楽器の内側は…撮影できませんでした。スマホの限界です。

次は駒です。一応、隆起に合わせてあるっぽいのですが…

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これはきつい。これも足を削って合わせ直しです。なんと足を削り合わせた後の写真を撮り忘れてしまいました…すみません。

ペグをネックに入れ(ここも合わせ作業をしました)、テールピースの長さを調整。弦を張り顎当てをつけると…

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完成です!

すぐに梱包しないとならなかったため、撮影が夜になりました。そのため暗い感じになってしまったのが残念です。

9月頭から二月半に渡って作業をしてきましたがようやく形になり、ホッと一息です。

末永く、お客様の元でいい音を奏でてくれることを願って箱を閉じました。

 

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