弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

一音の重み

ちょっと今回はキビしいお話です。

こばやしは弦楽器の修理や調整を生業としておりますので、こと音に関してはやや細かめの人間だとは思います。

目下の悩みは近所の工事音ですね(-。-;

必要な工事でしょうし、文句を言うつもりも無いのですが、予定日を過ぎても終わらない…。もう予定から2週間も過ぎていて、まだやっています。

耳栓をして作業できる仕事ではありませんし、どうしても耳に入ってしまうので、気になってしまいます(T . T)

さて、私の工房にいらっしゃるお客さまはアマチュアが圧倒的に多いですが、みなさん音に対してとても真摯な方たちと思います。

ほんの少しの弦のビリつきや、楽器を構えたときの腕や手の位置など、少しでも良く弾けるように、少しでも弾きやすくなるように調整をご依頼されます。

バイオリン属の楽器は容易に持ち運びができるのと、身体にピッタリつけて使うことが多いことからカスタマイズの範囲がとても広いです。

弓の毛の種類や張り方、弦の種類の組み合わせ、駒の高さ・形状、魂柱の位置・長さ、ペグの固さや角度、顎当ての形状・位置、肩当ての形状・位置…などなど…。

パッと思いつくだけでもたくさんあります。

そこをどう調整するかは、もちろん私のような技術者の方が詳しいですから、ご要望を聞きながら、意見をぶつけ合って納得のいく音に仕上げていきます。

時間もお金もかかりますけど、限りあるリソースの中でみなさん可能な限り良い音を求めています。

まして、プロの演奏家であれば、音には命を懸けている…と言っても過言ではありません。

と、いうことで表題です。

人前で演奏する方は多かれ少なかれ音を大事にされています。

私は演奏家ではありませんが、演奏する方の補助になるようなお仕事をしているので、「音が大切」ということに関しては重々承知しているつもりです。

だからこそ。

 

演奏会では携帯の音を消しましょう。

 

これを、もう切に、切にお願いしたいです。

電源を切ると大切な着信がわからない、なんてことは今はほとんどありません。電源が消えていた間の着信は通知がきます。

電源を切るのが面倒なら機内モードやマナーモードにしましょう。

最悪、バイブレーションの振動が聞こえてしまってもカバンの中などなら被害は周り数人ですみます。

そう、まさしく被害なんです。

マチュアもプロも関係なく、演奏の音以外を出すのはコンサートをぶち壊す行為です。

咳やくしゃみ、衣擦れなど不可抗力のものとは違います。

想像してみてください。

家族、親しい友人、もしくは大好きなアーティスト…そんなコンサートを夢中で聴いていたら、突然着信音が聞こえてくる。どう思いますか?

私はそういう場に何度も居合わせています。

怒りというより悲しいです。

演奏家がどれだけその一つの音を作るのに心血を注いでいるかを知っているからです。

…まあ、こんなブログをここまで読んでくださっているような方でしたら常識中の常識と思いますが、どうしても書かずにはおれませんでした。

どうか、周りにもご周知していただいて、演奏家もお客さんも気持ちよいコンサートを作り上げていただきたく思います。

演奏や講演をする側、または聴衆側の意見は目にしますが、音を支える側からの意見はあまりないかな、と思って記事にしてみました。

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こばやしがブログを書くときに心がけていることとして、「ネガティブなことを書かない」「良い感情しか表さない」というのがありますが、今回はそれを裏切ってしまいました(T . T)

オチとして「コンサートで鳴り響くうるさいスマートフォン」という画像をAIで生成してみました。

うーん…今ひとつ訴求力が足りませんな(-。-;

弦楽器工房こばやしは小田原の栢山にて、弦楽器の修理・調整・販売を承っております(出張修理も承ります)。

詳しくはホームページをご覧ください。

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