弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

バイオリン再生計画〜ニス色作成〜

さて、バイオリン再生計画は順調に進行中です。

今回でその4ですね。

ようやくニスに色をつけて塗装していきます。色は染料と顔料の2種類がありますが、私は顔料を使うことが多いですね。

どちらも粉末ですが、染料は溶ける溶剤が決まっていて、アルコール系ならアルコールニスに、オイル系ならオイルニスに溶けることで色がつきます。

隠蔽力が低く、透明感のある仕上がりになりますがその分沢山塗り重ねないとなかなか色がつきません。

顔料はなんにでも溶ける…というより現象としては溶けてないんですね。細かな粉がそのままニスの中に浮いている状態です。溶解しないので、溶けたようでも一晩も経てば瓶の底に沈みます。粒子が染料より大きな分、透明感はありませんが発色が良く、色がつきやすいです。

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今回私が使用しているのはこの3色です(^○^)…大分年季が入ってます。

リタッチをする場合ですと、寒色を補うために青も使っていますが、今回はゼロから色を作るわけですから必要ありません。暖か〜いオレンジブラウンを目指しますp(^_^)q

規格品ではありませんので、今回は行き当たりばったりで塗ります!

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左の瓶が透明ニスです(透明といいながらベースの樹脂には多少の色がありますが)。

これを塗装する際に毎回混ぜ合わせてその場のフィーリングで色を作るのです。

そんなので目指した色になるの?とお思いになるかも知れませんが、むしろこちらの方が色の微調整はしやすいですね(^_^)

なにせ相手は木材、この色のニスを〇〇回塗ったら完成、みたいな定石はそうそう通用しません。

最初に作った色を載せていったら想定した色と違ってきちゃった、なんてことは良くある話です(-。-;

毎回塗る前にバイオリンの顔とにらめっこをして赤が足りないかな、とか、黄色強いな、とか調整をしていくことで丁度いい塩梅に持っていきます…いく予定です。


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7〜8回塗ったところです(逆光で少し見にくいです)。乾燥時間を置かないと、筆で擦ったようになってしまって逆に色が取れてしまったり、あるいは塗り終わったあとにひび割れてきやすくなったりします。

また、毎回布ヤスリで表面の凹凸を取りながら塗るのですがある程度乾燥していないとそもそもヤスリをかけることができません。

今回は20〜30回くらいの塗装で完了させるつもりなので、1日2回の塗装で10日〜15日くらいで塗りあがる、はず、です…何事もなければ…(^◇^;)

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