前回の記事の続きになります。
余分なニスを除去したことで少し凹みが出てしまいました。
多少ならそのままでも大丈夫なのですが、わりと厚めのニスが塗られていたようで、少し目立ちます。まずはこの凹みを修正します。
透明ニスを盛るか、UVレジンか…どんな素材を使うか迷うところです。
今回は色を合わせることも大事ですが、多少なりと駒足が触れるところなので、ある程度の強さも必要です。周辺への馴染みの良さと透明性の高さから、サンダラックというニスを使うことにしました。
普段使う透明ニスよりも透明で、乾燥してからの目減りが少ないのでピンポイントで盛り上げたい場所には使いやすいニスです。逆に、バイオリン全面を塗るのには粘性が高すぎてあまり向きません。
わかりやすくライトを当ててみました。ゼリーのように透明な塊が盛り上がってるのがわかりますか?
充分乾燥させたら、色を合わせていきます。
駒足との境目が分かりやすいように黄色いマーカーを本体に引きました。これはあとで布で拭き取れます。
セオリー通り、黄色味から合わせていきますが、木目が途切れてしまっているのが問題です(-。-;
矢印の間で上から繋がっていたはずの木目の線が途切れているのがわかりますか?
これをこのまま色を合わせてもぼんやり濃くなるだけでどんなに色味が合っていても目立つようになってしまいます。
これをどうクリアするのか…。本来はニスを塗り重ねるうちに自然に木目にニスが入り込んでできたものですから、再現のしようはありません。新しく作る、つまり描くしかないのです。周りに塗っている色よりも濃い色を作成して、細い筆で木目の線があるべきところに線を描きます。
黒と赤を多めに入れて、塗るというより書くといった感じで線を引きます。そーっとなぞるように、一回で線を引くというより、重ねた濃い色が線に見えてくるイメージです。
どうかな…?色味は薄いままなのに、さっきよりずっと目立たなくなったと思いませんか。
周りの色を合わせましたヽ(^o^)。これで完成…といきたいところですが、まだ表面が凸凹しています。
完成は次回になります、すみません。短くまとまらないなあ…。
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