さて、首が回らないお話3回目のはずですが、ちょっと閑話休題です。
せっかくお客様からブログ掲載のご許可をいただいたのに、だいぶ間が開いてしまいました。
申し訳ありませんm(_ _)m
今回は、磨きについてです。
この楽器はいわゆる「新作イタリアン」に分類される楽器で、艶のある美しいニスが特徴です。
しかし、長年の使用により、松脂がくっついて取れなくなってしまっています。
特に駒の周辺は顕著に出ますね。
パッと見た印象ですと、ちゃんと毎回拭いていなかったのかな、と考えがちですが…この楽器、実はお手入れ不足ではないんです(o_o)
むしろ、きれいにしようという意識が、裏目に出てしまったというか。
楽器磨き用のクリーナー(磨き剤)はいろいろな種類が発売されていますが、乱暴に^^;わけますと、『研磨剤入り』か『研磨剤無し』かに分かれます。
お店で研磨剤入りのクリーナーを薦められることは、あまり無いと思います。
研磨剤が入っていると、汚れはよく取れますが同時に楽器表面のニスも少しづつ削っていきます。加減が難しいんですね。何も考えずに布にベッタリつけてゴシゴシ擦ると汚れどころか、ニスまですり減ってしまいます。
ですので、基本楽器屋さんでは研磨剤無しのものを薦められると思うのですが…気をつけなければいけない点が。
研磨剤無しのクリーナー、大体の場合オイルが主成分なんですね。表面の汚れをオイルで浮かせて拭き取る、といった使い方をするのです。
このときにしっかりと汚れと一緒に油分を拭き取らないと…(T_T)
表面にうっすら残ったオイルに松脂がくっつき、固まります。それを取ろうとクリーナーでこすり、またオイルが残り、そしてそこに再び松脂が…というサイクルを繰り返すと写真のような状態になってしまいます。
怖いのは、表面にオイルが残っていると一見ピカピカになったように見えることです。
しかし、表面のオイルが乾燥(もしくは揮発)するとツヤが消え、本来の汚れが顔を出します(-。-;
そうやっていつのまにか最初の頃の輝きをなくしてしまった楽器を何本も見ています。
こうなってしまうと研磨剤入りのクリーナーでもなかなか取れません。
酷い時には紙やすりや、アルコール溶剤まで使用することもありますが、幸いにしてこの楽器はそこまでではありませんでした。
コンパウンドという車などを磨く研磨剤と、弦楽器用のクリーナーで磨き上げました。
見事、ピカピカになりましたヽ(´▽`)/
写真を撮り忘れてしまいましたが、この後はF孔のゴミを取ってお渡ししました。
いやー、気持ちいい(^∇^)
最後はお知らせー。あと3日で開催です。
こんなピカピカにもできちゃいますよ!
ぜひ遊びに来てください!
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