弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

バイオリン再生計画〜仕上げ〜

長くやっておりますニス塗りも、今回でオシマイとなります(^○^)

バイオリン再生計画その7、です!

塗った回数としては27回になります…多分(-。-;

毎日2〜3回塗ってる計算ですね。時々休んだのを入れてもそれくらいです。


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色味はこんな感じに。

濃さはこのくらいで良いとして、まだ部分的に塗りムラが出てますね。

濃い場所は薄く、薄いところは濃くしてあげる必要があります。


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濃い部分です。この辺りはニス溜まりができてしまって周りより濃いですよね。

こういうところは布ヤスリとスクレーパーで地道に削って薄くします。こちらは比較的カンタンな作業。

逆に薄いところは、これはもうリタッチをして濃くするしかありません。ただ、闇雲に薄いところに色を載せていくだけだと、キレイにはなりません。

そもそも人間の目ってかなりいい加減で、そしてその割に精密にできています。

些細な違和感をすぐ見つけられたかと思うと、なんでこれが見えないの?って物を見落としたりもします。

この、めんどくさ〜い人間の目をどううまく騙せる(^◇^;)かが、腕の見せ所です。

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使うのはこの筆。前回ご紹介した筆が上の幅広な方で、今回使うのは細い方です。

これで、濃いめの色を部分的に載せていきます。

バイオリンは複雑なアーチをしてますので単に均一な色になれば良いというものではありません。

ポイントは剣先の部分。そして、そこを繋げるC部の縁周りです。

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マークアップしました。

丸をつけた剣先。そしてそれを繋ぐラインの部分。この辺りの色が薄いと違和感を感じます。それが形状からくるものなのか、それとも人間の視覚の癖なのか、よくわかりません。逆を言えば、この辺りが周囲の色より濃いと他の部分に色ムラがあっても気になりにくいのです。

ですので、作業としては色の薄いところを濃くしつつ、このポイントが強調されるように色を載せていきます。


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一段階目。微妙なニュアンスなので写真では伝わりにくいのですが、「顔」としてまとまりが出てきました。


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二段回目。バイオリンの写真は難しい…!外の光が入る、入らないで色味が変わってしまいます( ;  ; )朝と夜で全然色が違うんです。それもまた、魅力なんですけどね。

私としてはナイスな顔になりました!(^-^)

ニス塗り工程はこれで終了です。あとは…磨きをして表面をなめらかに、指板をつけて、駒と魂柱…と、結構ありますね(^_^;)

ただ、乾燥時間をおかないとならないので、次の作業までひと月ほどはおやすみなさいzzz…

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