弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

魂柱調整で肝が冷えたお話。

ヴィオリスト、白井英峻(しらい ひでたか)さんです。音の調整で先日、ご来店いただきました。

「はじめまして」と出会い頭に爽やかに挨拶をされたのですが、実は6月の小田原フィルのファミリーコンサートでコンサートマスターをされていたのです。

なので、私としては一方的に存じておりました。

不思議な感覚ですね(^_^)

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写真、下手で目を閉じているのしかありませんでした、すみませんm(_ _)m

ハンガリーなど国外に居られることが多かったようですが、ご本人曰く「そろそろ落ち着こうかと」ということで、今後は小田原・二宮を中心に活動をされていくようです。

今週末、8/21にお父さまである白井英治さんの追悼コンサートが二宮のラディアンホールで開催されます。

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沢山のアンサンブルが集まって一日中演奏会をするというイベントなのですが、一日で何度も舞台に上がるということで相棒のビオラの調整に見えられました。

ビオラも、バイオリンも作りは同じです。しかし、ビオラは楽器の大きさに幅があり、大きなものから小さなものまで最大で70㎜程度ものバラつきがあります。バイオリンで10㎜程度なのでスゴい差ですよね。

楽器の大きさと弦の長さは関係が深いので、ビオラの弦長も同じようにマチマチです。

弦長が変わるということは駒の位置が変わります。駒の位置が変わると、魂柱の位置も変わるということでビオラのセットはある意味バイオリンより奥が深いのです。

白井さんの楽器はビオラとしてはかなり小ぶりでしたが隆起が高く、また上下の丸い部分も横に張り出し気味でした。楽器の全長の小ささを構造で補っているのかな、と思いましたね。

この楽器が、素敵な音を奏でるのですよ(^○^)

音の調整をする前に一度音を出していただいたのですが、その時点でそれはもう豊かな音が出ていました。

もちろん調整をご依頼されている時点で、音に満足されていないわけですから、ここからさらに良い音を目指さなければなりません。

正直、肝が冷えます(^◇^;) が、やり甲斐のあるお仕事でもあります。

ご購入された時が一番好きな音がしたと仰っていたのですが…作業中に「もっと弾きづらかった」ということを幾度か言われているんですね。

とかく我々技術者は弾きやすいように、音が出しやすいように、となりがちですが、それがお客様の奏法や好みに合うかはまた別の話だということが、とても勉強になりました。

最終的にご満足いただけた、とは思うのですが…。

幸いにお写真OKいただいたので愛器と撮らせていただきました。

二宮のご自宅で教室を開かれるようですので、紹介させていただきますね。

 

白井弦楽器教室(まだ仮称です)

aggiuskivi@gmail.com

 

ホームページは現在準備中とのことです。

とても人当たりの優しい、ゆったりとお話をされる方です。これから弦楽器やってみようと思う方、ぜひ連絡してみてくださいね!

……その際の楽器のご相談はぜひ、こばやしにお声かけください!

弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。

詳しくはホームページをご覧ください。

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