ビオラ(ヴィオラ)という楽器、イメージでいうといかがでしょうか?
左がビオラです。
私も長いことこの仕事をしていますが、例えば小さなお子さんなどに楽器を見せるとほとんどの場合、
「バイオリンだ〜!」
となります(^◇^;)
ちょっと年齢が上がると、大きい楽器はチェロ?、くらいにはなりますが、なかなか見ただけでこれはビオラだ!とはなりません。
ちょっとマイナーな弦楽器…なんて言うと叱られてしまうかもしれませんね(^◇^;)
じゃあビオラってどんな楽器なのよ、といいますと。
バイオリンとの違いは大きさだけと思われがちですが、そもそも音域が違います。
E・A・D・G
のバイオリンに対して、
A・D・G・C
の弦が張られており、やや低めの音を担当しています。
つまり、ビオラにしか出せない低い音があるということですね(もちろん逆に言えばバイオリンにしか出せない高い音があります)。
日頃お仕事をしていますと、一番触れる頻度が高いのはやはりバイオリン。次いでチェロになります。
どうもビオラの奏者人口が少ない気はしております…(-。-;。
同じように肩にのせて演奏するということでバイオリンと比べられることが多いビオラですが、バイオリンをそのまま大きくすればビオラになるのでしょうか。
大体の作りとしてはビオラにはなると思います。各部の縮尺(ネックはちょっと大きく、本体はずっと大きい、など)は違いますが、音域と大きさ、違いはこれくらいです。
ただ、作り手の目線から見ますとなかなかに面白い違いがあります。
大きさが違うとはいいますが、バイオリンでもビオラでも個体差やモデルの違いでそれぞれの中でも大きさは違います。
バイオリンは小さくて350㎜、大きくて360㎜くらいでしょうか。その差はわずかに10㎜、それもかなり極端な例ですので、一般的には5〜6㎜の差でしょうか。%にすると差が大きい方でも2.8%くらいです。
ビオラの差はスゴいですよ。
小さくて380㎜、大きいものだと445㎜もあります。
その差は65㎜(O_O)
普通の楽器屋さんに置いてあるものだと、下は395㎜、上は420㎜くらいでしょうか。
先程に倣って%にすると15%も差があります。
人差し指の太さが15㎜とすると15%の差は約2.3㎜…こんなにズレたら音程外しちゃいますよ。
同じように弾く楽器でもバイオリンとビオラではここまでの差があります。
「ビオラ」と分類されていても小さいのと大きいので弦を押さえる指の幅が全然違う…。
この辺りの寛容さといいますか、良い意味でのいい加減さがとても面白いんですよ。
たくさんのビオリストが仮に集まったとしたら。
その楽器の個性の差はバイオリンの比ではありません。
と、いうことで!
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