あいだにいろいろあって長く続いてきましたがようやく今回で完結です。
↑前回の記事はこちら。
凸凹している部分を平滑にして、足りない部分は木材で継ぎ足しをしました。
いよいよ接着していきますが、その前に最終チェックをします。
楽器の中心に駒を立てて、ネックの中心と高さを確認します。ネックを外す前に駒位置にマーキングしておいてそこに駒を立てることが多いですが…。今回は元から楽器の中心に対してズレていたので(-。-;全て計測して新しく出した中心点に対して駒を立てています。
写真のように輪ゴムを二つ繋げて楽器にかけると手で押さえなくても立つので便利です(^O^)…普通は使わないとは思いますが…。
上から覗き込んで左右の中心を確認します。この写真だとちょーっとズレてますね(^◇^;)
高さ(角度)はここでは目安程度ですが、定規を2つ組み合わせて計測します。手が塞がるのでこちらの写真は撮れませんでした(T . T)
ニカワを充分に塗布したら接着です。
接着後もすぐに中心と角度を確認します。
何かの拍子にズレてしまうことは良くあります(・_・;
ここまでの作業が無駄にならないように慎重に接着します。
一晩置いたら、クランプを外して完成ヽ(^o^)…ではありません。
ネック下部のボタン部と呼ばれる部分に段差ができてしまっています。
ここですね。
今回の修理では本体もネックもかなり切削しているので、少しネックが短くなっています。
本来であれば長さを保つために本体の溝に新しく板を足して取り付けるのですが、このビオラは元々ネックが長めだったんですね。そして、このボタン部から下のヒールと呼ばれる部分の形状も太かったので、そこも考慮しての段差になります。
ナイフで削っていきます。
スクロール(渦巻)側もガタガタとしているので、グリップ全体も含めて全部に手を入れます。
ご依頼のお客様からは「太くて弾きづらい」というご要望もありましたのでそこを改善できます。
作業途中…です。
見るも無惨な感じ(-。-;ですが、ここからちゃんと綺麗になりますからね!
形状はほとんど手で触れての経験からくる整形になりますが、微妙なアール形状や直線はこういったゲージを使います。
ナイフで荒削りをしたら、金ヤスリ、サンドペーパーで仕上げます。
色がなくなってしまった根本にはニスを塗ります。
作業途中…。
黒ずんで見える部分は元から凹んでいたところです。削ることはできても盛り上げることはできないのでそのままになっています。
完成!
ニス塗装後、磨くとツヤツヤになってしまいますが、その後につや消し加工をしています。
全体が古くツヤが無いニスなので、質感を揃えないと違和感になってしまいますからね。
手前味噌ながらネックが外れてしまった前よりも断然弾きやすくなったと思いますヽ(´▽`)/
あっという間に年末、ですね。
12/29か30くらいまでは営業してようかな(←いい加減)、と考えておりますが、現在かなりご予約とお預かり修理が立て込んでいる状況です。
ご連絡、ご予約はお早めにお願いいたします。また、お受けできるのが年明けになってしまう可能性もありますので、どうかご了承ください。
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