これは、海外から輸入したチェロの裏板についた傷です。このままですと新品で売ることができなくなってしまうので、修理しました。
2日かけて直しているので光の加減が少しかわっていますが、同じ場所です。
こうしたケースの場合はどうあっても修理しなければなりませんが、一般のお客さまの場合、少し事情が変わってきます。
納車されたばかりの自動車のように、極端にキズを嫌がるお客さまがいらっしゃいます。
もちろん、ピカピカの状態で使用したいと思う気持ちはわかるのですが、楽器は楽器です。
使用していけばいろいろな要因によって、必ずキズはつく、くらいに考えていた方が良いように思います。
名器、と呼ばれるような楽器でキズのない楽器はありません。
弾いているうちについたキズ、なにかの拍子にぶつけてしまった、ひっかけてしまった…。そういったキズのあれこれを経て「風合い」のある楽器になっていく、と考えれば少しは気分も楽になるのではないかと思います。
こんなお話を書いてきてなんですが、ニスの修理自体は私自身、かなり好きな、得意な修理になります。次回はその辺りを書いてみようかと思っています。
弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。
詳しくはホームページをご覧ください。
https://musical-instrument-repair-shop-51.business.site