弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

弦を替えるタイミング

こんばんは。弦楽器工房こばやしです。

お客様に聞かれる頻度が非常に高い質問のひとつに「弦を張り替えるのはいつが良いのか」という事があります。

大体1年くらい…とお答えする事が多いのですが、これはあくまで目安の時間です。

卸売りの業者さんに聞いたところ、海外の弦メーカーのホームページにはちゃんと弦の寿命が掲載されているとのこと。

ですが…見つかりません😢

今度ちゃんと聞いてきます…。

というわけで、お役に立つかはわかりませんが、大体の目安の基本となる考え方を書いていきます。

 

1日1時間の演奏(練習)で1年で交換です。

これを111の法則と言います。嘘です😀

…が、覚えやすいのではないかと思います。

これを基準としますと1日2時間演奏する方は半年で交換。1日3時間の方は4ヶ月…と、わかりやすいですね。

逆に1日30分とか、2日に1回1時間だと2年か…と思われるかも知れませんが、それはやめてください。

張ったその時から弦は劣化していきます。毎回駒が倒れるくらいに緩めるならともかく、ある程度張力がかかった状態が続く弦の寿命は、やはり1年が最長と言えます。

そして、弦を替えるタイミングで一番して欲しくない、してはいけないのが、「切れたら替える」です。

バイオリンですと、4弦トータルで15〜20kg程度の張力がかかっています。4分の1で約4〜5kg。この力が、弦が切れた瞬間に楽器全体にかかります。1.5リットルのペットボトル約3本分の力がかかると考えると、恐ろしい事態だと実感していただけると思います。

新しい弦と古い弦を併用することで音のバランスが崩れてしまうという事もあるにはあるのですが…。メンテナンスの観点からだけでも、切れるまで使用するというのは「絶対やめてください」というレベルです。

1年に1回は弦を替える。これさえ押さえておけば弦関係のトラブルはほとんど起きないのではないか、と思います。どうか心の片隅にでも覚えておいてくださいね。

 

弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。

詳しくはホームページをご覧ください。

https://musical-instrument-repair-shop-51.business.site