ツクツクボウシが鳴き出すと、夏も終わりって感じしませんか?私はします(^O^)
夜なんか急に涼しくなって、過ごしやすくなりましたね。まだ日中は暑いですが…(^◇^;)
さて、本題の指板のお話です。
バイオリンの指板は真っ直ぐに見えますが、実は微妙にカーブしています。
この定規をあてた部分ですね。真ん中にわずかなスキマが空くように削ります。
本来はピッタリ直線が良いのかも知れません。ですが何せ木製品ですから、温度や湿度、張っている弦の張力もあって形を保っている方が難しいくらいなんですね。
指板に凸凹があるとノイズの原因になるのは簡単にイメージできると思います。
弦を指で押さえた場所と違うところが指板に当たってしまうので、雑音が出てしまうわけですね。
こちらの楽器は長年使われてきて、指板に弦の跡がついてしまっています。弦の巻線は金属なので、指板は少しずつ削れていきます。
15センチ定規に替えて、アップにしてみました。
ナット部の方、指板と定規の間にスキマがあるのがわかりますでしょうか…?
これを我々は「指板が逆反りしている」といいます。
通常とは逆に曲がっているということですが、『突然指板が逆反りしてますね』なんて言われてもピンときませんよね(-。-;
これに限らず、バイオリン屋さんは専門用語を使いがちです。こばやしも気をつけてますが、わからないことを言われたら遠慮せずに訊いてくださいね。
さて、直していきましょう\(^o^)/
いつものようにカンナがけからです。
カンナを斜めにすることで、出っ張ってしまっている部分をピンポイントで削ることができます。
こんな感じで凸部にカンナがかかりました。
ここからは全体に当たるように削ります…えー、写真を撮り忘れてしまいました(^◇^;)
薄く全部にカンナがかかった状態にしてからスクレーパーという薄い刃物で表面を慣らします。
よろしければこちらの記事を見てみてくださいね。仕上げ方法については細かく写真を残してあります。
今回の楽器でちょっと違うのは指板側面に段差があったことです。
ネックの握りと指板との境目に段差があって指でなぞると引っ掛かりを感じるのです。
そんなときはスクレーパーよりもこうした平鑿(ヒラノミ)を使って…
こう削ります。かなり邪道な使い方だと思いますが、これが思った通りに削れるので楽なんですね〜。
さて、削り上がった指板を横から見てみます。
真ん中があいていて、端っこはくっついている理想の反りに直りました。
最初にあった弦の擦れた跡も綺麗に消えました(^_^)
新品のように美しい指板に戻りました。
こちらの楽器の場合、指板に十分な厚みがあったので削ることができました。
こういう削り作業を繰り返してある古い楽器では削りしろが無いこともあります。
そういう時は指板自体の交換になります。
機会があればこちらでご紹介したいと思います。
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