こんばんは、お久しぶりです。弦楽器工房こばやしです。
この時期は確定申告ですね。個人でやっているので、出来る方には大した手間では無いのでしょうが、私は毎回時間がかかります。パソコンに向かうのは書類を作るときなので、ブログにまで手が回りませんでした。
今回も無事終わったので、ブログも再開と参ります。
さて、今回は大事なパートナーをご紹介します。かれこれ15年くらいの付き合いですね。なんと妻よりも長い時間を共に過ごしています。
これは魂柱立て、と呼ばれる道具です。バイオリン属の弦楽器を演奏する方なら知らないことはほぼ無い、と思いますが、バイオリン属の楽器内部には魂柱という柱が立っています。
楽器によって異なりますが、フルサイズのバイオリンですと、直径6ミリ程度の細い棒です。
これを楽器の中に入れて立たせ、位置を調整するための道具が魂柱立てなのです。
私の魂柱立ては先端までをかなり細く削り込んで小さなF孔でも入りやすくしてあります。
そして、先端を金床で叩いて延ばして縦に広げてあるのが特徴です…まあ、魂柱立てを使うような方なら皆さんやっているようなカスタマイズでしょうけど…。
この魂柱立てをどう使うか、といったお話はそこら中のサイトで見られるので、今回は置いておきます。
今回お伝えしたいのは、この魂柱立てを、もっと使わせてください、ということなのです。
自分はバイオリンの腕はまだまだ未熟で音のことなんかよくわからない、と思っていませんか?
昔はもうちょっと鳴った気がするけど、最近音が出しづらいような…とか、買った時からキンキン鳴っていてうるさいくらいだったけど、バイオリンってそういうものだと思ってた、など…。特に、弦楽器をはじめてから数年経ったような方にそういう音に対する漠然とした不満が多いような気がします。
毛替えに出したときに聞いてみようかな…でも聞きづらい…自分が感じてるだけかも知れないし…なんて悩んでいないで、ぜひ聞いてみてください。
我々は弦楽器の専門家です。しかし、お客様の楽器の細かな変化に気づくのは難しいです。
体調が悪くなってお医者さんに行ったときは、まず自分の症状を伝えますよね?楽器も同じです。
「どこか気になるところありますか?」
「ノドが痛くて…」
そうして、喉を診てみようという話になるわけです。喉が痛いし、咳も出るけどお医者さんには言わないでおこう、とはならないですよね。
自分の楽器のことは自分が一番わかっているのだ、と胸を張ってお尋ねください。魂柱は、わずか1ミリの移動でも楽器の音をガラリと変えます。
お客様と対話をしながら、お好みの音に近づけていく調整は楽器に触れている時間が長いお客様ほど、効果を実感できると思います。
ぜひお試しください。そうしたら我が相棒、魂柱立ての出番も増える…かも知れません(笑)
弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。
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