弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

灼熱の車内

こんばんは、弦楽器工房こばやしです。

今月もカミイチに出店していましたが、あいにくの雨…まあ、こんな日もあります。

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展示用の楽器ではありますが、湿度でコンディションも良くなく、今ひとつの手ごたえでした。カミイチでイマイチ…スミマセン。

 

さて、6月に入り、気温もみるみる上がっていますね。

バイオリン属の楽器たちは基本的に各部を接着するのに「にかわ」を使っています。

大抵の接着剤は、水分なり溶剤なりが揮発して固まるとくっつくものですが、温度が下がるとくっつくという特性の接着剤はなかなか無く、それがバイオリン属において「にかわ」が使用される一因にもなっています。

また、水分を与えて温度を上げると溶ける、というのは修理の際にも有利にはたらきます。板をはがしたり、指板を外したり…接着されている箇所をはずすのに、お湯を流せばなんとかなる(ならないこともありますが^_^;)のはなるべく楽器本体に負担をかけたくない、リペアマンとしてはありがたい特性であります。

しかし、温度が高いと溶けるということは、この時期からは特に要注意の特性です。

車で教室に向かう途中、少し買い物をしていくとします。楽器を持って歩くと、買い物には邪魔になるし、ほんの少しだから置いていっても大丈夫…なんてことはありません。

車内は灼熱のサウナと化しています。ケースに入っていても温度の上昇からは逃げられません。

上がった温度は、少しずつニカワ接着部にダメージを与え、ある日表板や裏板から異音がする…なんてことになります。

板の剥がれでしたら接着をし直せば大丈夫ですが、ネック部など、致命的な部分の接着がはがれてしまうと目も当てられません。

くれぐれもお気をつけください。

 

弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。

詳しくはホームページをご覧ください。

https://musical-instrument-repair-shop-51.business.site