弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

指が黒くなった!?

良くご連絡をくださるお客様から、ご質問をいただきまして(とはいっても、質問というよりは世間話の延長といった感じではあったのですけど…)。

Twitterでバイオリンを弾いていたら指が黒くなった、という投稿があったのですね。

まさにそんな作業をしていたところだったので、タイミングも良いので取り上げてみることにしたという訳です。

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バイオリン属の楽器にはもれなくこの指板がついています(それっぽく並べてみました)。

ほとんどの楽器において、黒檀(こくたん)という堅〜い木材が使われていますが、この黒檀、絶滅を心配されている木材なんですね。

ですので、なかなかに高価で手に入りにくく、普及品の楽器には染めた別の木材が使われていたりします。

また、黒檀にもいろいろな種類があるようで、良いとされている真っ黒な物は希少で、黒というより赤っぽかったり、色にムラがあったりと黒檀を使用していても黒くないようなものも沢山あります。

色が黒くなくても使用に問題はありませんが…

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確かにこんな感じでムラがあるとカッコ悪い…(T . T)

というわけで、黒檀を使っている楽器でも黒さを均一にするために染めてあることが多いのです。

多少のムラでしたら、例えば木材仕上げ用のオイルを塗り込むことでしっとりとした濡れたような質感になって目立たなくなりますが、↑のようなハッキリとした違う色味があるとどうにもなりません。

今回はちょうどいい中古楽器がありましたのでそちらの指板を黒く染めていきたいと思います!

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まずは最初の状態…。弦を外して様子を見てみましょう。

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シール跡が汚い(-。-;

また、長年の使用で弦の擦れた跡がついています。黒檀ですと堅いのでここまでギザギザにはなりにくいのですが、これは別の木材なので仕方ないですね。


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ペインティングナイフを使って、まずは上ナットを取ります。


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その後アルコールでシール跡をとりました。左右も見てみると黒部分が染めてあるのが良くわかりますね。元はおそらく白っぽい材料です。


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スクレーパーで削って、ギザギザの跡を取ります。だんだん黒くなくなってきましたが、わざわざ真っ白になるまで削る必要もありません。面が綺麗になったところでサンディングペーパーで表面をツルツルにします。


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ネックグリップ…手で握る指板の下の部分ですが、こちらにもシールの跡が(・_・; また、最も手が触れるところなのでここの表面も荒れています。


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こちらもペーパーで磨いてしまいましょう!

ツルツルの面になると同時に、指板も元の白さ(^○^)を取り戻してきてしまいました。

さてここから染め作業に入りますが、長くなりそうなので続きは次の記事で〜。

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