弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

リタッチ 〜下拵え〜

ようやく骨折の痛みが薄れてきました。なにをしてても鈍い痛みがあったのが、気づくと感じていないような具合です。

ただ、やはり痛いのを無意識に庇っているんでしょうね。思ってもみなかったところが筋肉痛になったりして、家族からは「おじいちゃん」と呼ばれていますよ(;ω;)

さて、今回は(も?)リタッチの実際を見ていただきたいと思います。もちろん、お客様の許可は得ていますよ〜。

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表板、指板のワキの部分ですね。ニスが剥がれてしまっています。

これをキレイに直すのが今回のミッションです。

どういった経緯でこうなったのかはわかりませんが、色が剥がれただけでなく、周囲よりも濃い色が、木の繊維の間に入ってしまっています。

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以前にリタッチを失敗したのかもしれませんね。

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このまま上に色を載せていっても、濃い部分は残ってリタッチ部分が目立ってしまいます。

まずはその濃い部分を落としていきます。

綿棒にアルコールをほんの少し含ませてこすります。含みすぎると滲み出て余計なところまで侵してしまうので、慎重に、少しずつ余計な色を取っていきます。

アルコールで取れない場合は別のものを使うのですが、この楽器はキレイに取ることができました。

上にのっていた茶色が綿棒についています。かなり濃い茶色です…これはきちんと取り切らないとダメですね。

リタッチの色をのせる前に透明なニスを何枚か塗って繊維に染みないようにします。

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「透明ニス」とは言っても樹脂由来のほんのり赤橙色がついています。何度か塗ったあと、乾かして布ペーパーで表面の凸凹を取ります。

このとき、塗った箇所以外のところにペーパーをあててしまうと傷口を広げてしまいかねないので、場所を確認、注意しながらすすめます。

キレイににコーティングできました(^∇^)

ここまでで2日かかっています。

ここから色をつけていきます…が、長くなりそうなので今回はここまでです。

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