弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

バイオリン再生計画〜グリップ仕上げ〜

実物の作業、もっと進んでるんですけど、記事を書くのが追いつきません(^◇^;)

f:id:kobayashi-strings:20210418160020j:image

前回の写真、これは紅茶なんですね〜。

熱湯で煮出したあと、電子レンジでさらに温めて濃〜くしておきます。

これをグリップに塗る事で木地に色をつけるわけです。ここからは音や操作性には関係ない、美観の問題です。裏板があんなに美しいので、同じ材料のネックに杢が出ていないとバランス悪く見えるんですよ(-。-;


f:id:kobayashi-strings:20210418160558j:image

f:id:kobayashi-strings:20210418160603j:image

塗っては乾かし、塗っては乾かして白っぽい木地を染めていきます。


f:id:kobayashi-strings:20210418161211j:image

f:id:kobayashi-strings:20210418160711j:image

写真のアングルが違います(-。-;が、右が塗布後です。
全体的に茶色というか黄色というか、色がつきました。これで、5回塗った状態です。

次はオイルを塗り込むのですが、ここでも色をつけます。

f:id:kobayashi-strings:20210418161440j:image

テレピン油とリンシードオイルを混ぜたものに、オイルカラーを溶かします。

色はいつもの赤・黒・黄です。

テレピン油はアルコールほどでは無いですが、刺激性があるので直に触るのはあまり良くありません…が。木地に塗り込むのに指先の感覚に勝る道具がないのでつい直に指で塗ってしまいます。真似しないでくださいね。

f:id:kobayashi-strings:20210418162131j:image

塗ったところの杢が際立つのがわかると思います。テレピン油は揮発性なので蒸発してしまいますが、リンシードオイルは木に吸い込まれて、そこで固まります。最も手が触れるところなので、汗が木に入らないようにするという意味もあるのです。

吸わなくなるまで擦り込んだら、さらに上に透明ニスを擦り込みます。下地にオイル、表面をニスでコートして二重に木地を守るわけです。


f:id:kobayashi-strings:20210418162500j:image

f:id:kobayashi-strings:20210418162456j:image

いい色がつきました(^○^)

色味もバッチリで、杢も美しく出て裏板に引けをとりません。

ここでグリップの仕上げはおしまいですが、まだヒールの部分のリタッチが残ってます。


f:id:kobayashi-strings:20210418163546j:image

f:id:kobayashi-strings:20210418163555j:image

f:id:kobayashi-strings:20210418163550j:image

まずは透明ニスを塗ります。ここは木口と呼ばれる場所で木の道管が切れている部分なので、いきなり色を塗ると染みてしまって汚くなってしまうのです。

ツヤが出るまで塗ったら、十分に乾燥させてリタッチをします。


f:id:kobayashi-strings:20210420172152j:image

f:id:kobayashi-strings:20210420172214j:image

できましたヽ(^o^)

ネックは終了です。次は全体の顔を作ります!

弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。

詳しくはホームページをご覧ください。

https://musical-instrument-repair-shop-51.business.site

LINE公式アカウントを作りました!

友だち登録していただけると、直接こばやしとメッセージのやりとりができますよ。

http://nav.cx/4bIrYHT

このURLをタップまたはクリックすると、弦楽器工房こばやしを友だち追加できます。