弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

しとしと、ざーざー、じめじめ…

雨、ずーっと降ってますねぇ…いやになってしまいます。

湿気、楽器には天敵です。

こうも雨が続きますと、影響が出ないわけもなく、魂柱が倒れてしまったというお客様が続けていらっしゃいました。

魂柱についてなにか書いたことがあるかなあ…と思いましたが、過去記事もけっこうな数になってきて探すのがめんどくさい…(-。-;

というわけで今回はこの時期倒れやすい魂柱のお話です。

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これが魂柱です。4/4、いわゆるフルサイズのものですね。こうして楽器から出した状態で見ることはあまりないのではないでしょうか。

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いろんなサイズの魂柱たち(^。^)

チェロ、ビオラ、分数、当然それぞれ太さが違います。

湿気が多くなりますと、バイオリンの隆起はわずかですが高くなります。

表面から見るとニスが塗られている楽器ですが、F字孔から中をのぞくと…

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中は白木のままなんです(o_o)

これが湿気の影響を受けてしまうんですね。

そうしますともともとふくらみを持たせて作られているバイオリン属の楽器は膨らむ方向に動きます。

もちろん些細な動きです。おそらく上下合わせて1㎜も動いていないと思いますが…

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魂柱はこの上下の角度だけで楽器の中に『挟まっている』だけなんです。

弦の張力で押さえつけられている分をこえて湿気を吸ってしまうと、あっけなくコロンと倒れます。

私たち、弦楽器の修理屋には大したことではありませんが工具も持っていない方が直すのは不可能と言っても過言ではありません。

もし倒れてしまっていたらすぐに弦を緩めて(魂柱で支えられていた力が直接楽器にかかるので)お近くの弦楽器工房にお持ちくださいね。

倒れるときは倒れる魂柱ではありますが、倒れにくくすることはできます。

大抵の方は楽器をケースに入れていると思うのですが置くときに横に置いてみてください。

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こうすると先程の写真でお分かりになると思いますが、隆起が緩んだとしても、魂柱が落ちずに食い込むほうに動きます。

ほとんどのケースは横置きにも対応しています。持ち手の方が低音側、置く側が高音側になるはず、です。置きやすさ、安定性から見ると仰向けに置きたくなりますが、この時期は特に横に置くことを心がけておくと安心、かもしれませんよ(^ ^)

 

弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。

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