弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

ペグが、回らない!!

まーだ梅雨って明けないんですかね。

明けたら明けたで暑くなって大変なんですけど、やっぱり朝起きたらカッとお日様が輝いてる方が気分いいと私は思うんですよね。

さて、この湿度でいろいろと楽器に影響が出ていると思います(-。-;

この時期に良くあるのは前回書いた「魂柱倒れ」、以前記事にした「板剥がれ」、そしてこの「ペグが回らない」というものがあります。

板剥がれにつきましては、湿気が少ない時期でも起きるので冬にもあります。

診断の仕方は↓こちらです。

日本は夏は暑くて湿度が多く、冬は寒くて湿度が低い、ほんと、弦楽器にはキビしい国です。年中湿気が一定なだけでかなり楽器には優しくなると思うのですが(^◇^;)…と愚痴っても日本に住んでいる以上どうしようもありません。

うまくつきあっていきましょう(^-^)/

さて、ペグを見てみましょう。

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先端に向かってわずかに角度がついているのがわかりますでしょうか?

これと同じ角度の穴がネックには開いていまして、その摩擦だけでペグは止まっています。

この摩擦が弱いとスルスル動いてすぐに弦が伸びてしまいますし、固すぎると動かなくなります。

例によって、ペグもネックも木材でできています(^-^;

これがまたいつものように、湿度の影響を受けるんですねぇ>_<

しつこいようですが、この時期、木は湿気を吸って膨らみます(わずかですけどね)。

これが元からキツめのペグですと、まったく動かなくなることが稀にあるのです。

思い切り力を入れて動かそうとしても動かない。こんなときはどうしたらいいのでしょう。

すぐ動かしたい場合、ある程度力技に頼らざるをえません。

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こんなペンチを使い、ペグを傷つけないように当て布をして回すか。

もしくは、逆側からペグの頭をハンマーで叩く方法もあります。

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どちらも、破損の可能性がある強引な方法です。

ペグが折れるならまだマシな方で、最悪ネックのペグ穴にヒビが入ることもあります。

あまり取りたくない方法ですね(・_・;

時間がある場合は他の方法もあります。

ケースから出し、よく冷房の効いた部屋に置きます。直接冷風が当たると乾燥しすぎるので風の当たらないところに置きましょう。

最低でも半日くらいは置いてみて湿気を飛ばしましょう。それでも動かない場合はもう半日くらい置いてみるか、もしくは扇風機などの温度を持たない風を少しあててみると動くようになるかもしれません。

確実とは言えませんが、試して見る価値はあると思います。また、急に乾燥することで他の弊害が出る可能性もありますが(例えば板剥がれなど)…ペグが動かない、という状態と天秤にかけるしかありません(-。-;

一番の予防策は、固くならないように毎日動かしてあげることなのですけどね。

これは手に負えない!と思ったらお近くの弦楽器工房にご相談くださいね。

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