ようやくちゃんとした夏になりそうですね!
ジメジメ、しとしとともオサラバです(^○^)
しかし、楽器にとってはまたまた辛い時期になります…高い温度はバイオリン属に頻繁に使われる接着剤、ニカワの天敵なのです…(-。-;
何度も書いてますが、日本は本当に楽器に厳しい国ですよね…一年中何かしらトラブルの種が存在しています(T_T)
さて、ニカワが劣化して最初におきるのは板剥がれですが、次に起きやすいのがこの指板剥がれではないでしょうか。
指板です。あまり、ネックから外れたところを見ることは少ないですよね。
裏側。この指板はもっと厚いものに変えてほしいというご依頼で交換されたものです。なんとなく捨てられずに残っています(^^;;
材料は黒檀という木材です。密度が高く、堅い、非常に強い木材ですね。あまりの密度の高さに、木なのになんと水に沈みます(O_O)
変形にも強いので剥がれにくそうではありますが、ネックは弦の張力を一番受ける箇所です。しかも下半分は裏板と同じメープルです。
2種類の素材を貼り合わせることで曲げ耐性は上がりますが、それでも、どうしても曲がってしまうところであります。
大体はメンテナンスの時に下部が剥がれているのが見つかることが多いです。
ここですね。ここにスキマを見つけたらすぐに接着した方が良いです。
でも…
ある日ケースを開けたら乾いた音と共に指板が落っこちた…なんてこともあるのです(T_T)
こうなったら大変です!!
指板とネックの二つの素材で曲がりに耐えていたものが指板の支えが無くなっている状態です。
メープルのネックはすぐに弦の張力で曲がりだします。
指板が剥がれてしまったら、まずは落ち着いてテールピースの下に布を挟みましょう。(手元に指板が取れている楽器が無いので、普通の楽器です。機会があれば差し替えます(-。-;))
椅子に座り、片方の手で駒を抑えながら、もう片方で弦を緩めます。少しづつ(半回しくらいずつ)全部のペグを回して弦の張力を下げていきます。
張力が下がりきると駒が取れます。
このときテールピースが表板にぶつかることがあるのでさっきの当て布が役立つのです。
表板を抑える力も無くなることで魂柱が倒れてしまうこともあるかもしれませんが、どちらにしろ緊急事態、修理は必要なので、職人さんに立ててもらってください。とにかく、ネックにかかる力を無くすのが一番です。
これで一安心。ネックへのダメージは最小限で済みました(^○^)。
そのまま修理工房にお持ちくださいね。
弦楽器工房こばやしは小田原の栢山から、弦楽器の出張修理を承っております。
詳しくはホームページをご覧ください。
https://musical-instrument-repair-shop-51.business.site
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