弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

ネックが外れた!!?

暑い日が続きますね!

少し前の記事で書いたように、この時期の暑さ…いやもう「熱さ」と言った方がいいかもしれませんが、高い気温は各部のハガレを引き起こす天敵であります。

楽器の天敵、たくさんいるんですけどね(^^;;

表・裏板のハガレの次に起きやすいのが指板、なんて書いたばかりなのですが、今回ご紹介するのはネック外れです。

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こんな感じ(T_T)

「どこまでも弦がのびるから、なにが起きたかと思ったよ」

とお客様はおっしゃってました(もちろん、掲載許可はいただいております)。

この方はあまりケースに入れず、スタンドに立ててリビングに置いておいたとのことで、それが原因かと考えていましたが、可能性としては低いかと思いますね。

確かにケースに入れておいた方が安全ではあります。気温や湿度の影響が緩やかになりますからね。

ですが、人が普段暮らしている家でしかもリビング。滅多に立ち入りしない屋根裏とかではありません。

気温はどんなに高くても30°前後だと思われます。

これは元の接着があまり良くなかったか、接着に使われたニカワの質が良くなかったか…正確なところはわかりませんが、お客様の取り扱いが原因ではないと思います。

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接着し直すにも、まずは一旦外さないとなりません。外して様子を見てみます。

特に本体側に固まったニカワの塊が見えますね。

接着の時に早めに固まってしまったニカワが却って接着を阻害してしまった(ニカワが噛む、なんていいます)のではないでしょうか。

まずはこれをお湯をたっぷりつけた布で綺麗に取り去ります。

その後は新しくニカワを塗って、再接着です。

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金属のクランプを使ってガッチリ固めます。楽器に傷がつかないようにコルクを貼った当て木を間に挟んであります。

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傷といえば、駒を外された状態でお持ち込みされたのでテールピースが表板にぶつかって引っ掻き傷ができてしまっていました(-。-;
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こんなときは頼れる相棒コピックマーカーの出番です。

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チョチョイと塗ることで傷は見えなくなりました(^○^)

あまりバイオリンのネックが外れたところを見ることも無いのでは、と思い記事にしました。

バイオリン属って、ほんとにデリケートな楽器ですね(^◇^;)

なにか気になることがありましたらすぐにご相談くださいね。

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