弦楽器工房こばやし

小田原の弦楽器工房こばやしのブログです。仕事をしていて感じたあれこれを週一くらいで徒然と書いていきます。

バスバー交換の理由。

前回の続きです(^○^)


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表板を剥がして、内部を見てみます。

こうして並べてみるとそうでもありませんが、近くで観察すると、いろいろと違和感がありました。


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表板の内側だけ、仕上げが粗いんですね(・_・;

普通、内側を削るのは丸鑿を使って荒削り、その後小さなカンナで厚みを出したら、スクレーパーという道具で刃物の後を取り、そして最後はサンドペーパーでツルツルに仕上げる、といった工程となります。

仕上げのサンドペーパーを使わずスクレーパーで仕上げる方もいらっしゃいますが、ここまで凸凹は残りません。

だったら裏板もそうかというと、裏板はキレイに仕上がっているんですよ。

まるで表板だけ別人が作ったかのようです。うーむ、謎…( ̄^ ̄)

さらに本題のバスバーですが、


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まず、他の箇所と同様、仕上げが雑です(・_・;

全体的に凸凹してますし、作業中に木目を引っ掛けて繊維がささくれ立っているような場所もあります。

次にサイズが小さいのに気づきます。

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写真だと分かりづらいのですが(というか撮影失敗してますが)、本来もっと両端に伸びているものなのです。数値で言いますと指板と同じくらいの長さ270〜275㎜くらい欲しいところが250㎜程しかなくなんとも心許ない印象です。

さらにさらに、面白いことに上のアップの写真をよーく見るとわかるのですが、このバスバーは部品を接着しているのではなく表板と一体化した削り出しなんです。これはかなりびっくりしました(O_O)

そういう楽器があるのは知っていましたが、見るのは初めてです。

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こう見ると、バスバーの木目と表板の木目が一致しているのがわかりますかね。

これは…強度は保てるのでしょうか?…ちょっとわかりませんが別部品で取り付けた方が支える力は強いように思います。

このバスバーの交換は「響きが今ひとつだから」というお客様からのたってのご依頼でして。

実は私自身としては他の方法で解決できないかと考えていたのです(-。-;

これは全くもって見当違いで、お客様のご要望はまさにマトを得ていたことになります。

これは大いに反省です(T . T)

次回、これを交換(?)していきます。

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